"ラブライブ!"カテゴリーの記事一覧
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僕達ラブライブ大好き人間達に夢のような2日間を与え、そして過ぎ去っていった5thライブ。 その詳細を、出来うる限り語っていこうかと思います。
まずはじめに……
ライブは1/31、2/1という土日開演という、一見すると旅館などのサービス業には酷な日程です。
ですが実際この期間の温泉宿はほとんどオフシーズン。
おまけに僕は去年開催された4thライブ後の告知でこの日程が発表 された途端
「俺来年の1月31日と2月1日は休み取るけどいいよね? ……返事がないってことはOKってことだね。ありがとう」
といった感じでお休みを取ったので全く問題はありませんでした。
次にチケット。こいつが曲者なのです。
ライブに行く機会が多い人はご存知でしょうが、チケットの確保はもはや戦争です。
特にラブライブ関連は人気が高騰してしまったせいで転売屋やらサブカル系に目を付けられて転売目当ての申し込みも相まってチケットの当選確率は年々低くなっております。
僕もなけなしの小銭を集めてなんとかBD特典の最速先行抽選を4枚分回しましたが、それで確保出来たチケットはSSA2日目がわずか1枚。
不運は重なります。
イナカモノズ最後の希望だったLV(ライブビューイングの略。詳細は自分でググってください)が群馬県はなんとMOVIX伊勢崎のみ!
ふざけんなバカ!
力あわせる200万人の群馬県民のなかにどんだけラブライブ大好き人間がいると思ってんだ!! けやきなにやってんだよ! テメーんとこ去年やっただろ!?
今年もやってくれるって信じてたのにがっかりだよ!!
おいイオン! オメェもシアター持ってるだろ!? 寝ぼけてんのか!
岡田の実家がそんなことだから民主党は群馬県民に嫌われるんだよ! ばーかばーか!
案の定伊勢崎のLV会場はギッチギチ。
シアター2つ使ってもギッチギチ。
2日目に至っては当日のLVチケットすら無いという有り様。
群馬県の映画館関係者の皆さん、もしこのブログをご覧になられていましたら来年こそはラブライブのLV上映をどうぞ積極的にご検討ください。
ホントお願いします。
というわけで1日目は屈辱のLV参戦だったわけなのですが、去年に比べると客層にかなりの変化が見受けられました。
部活帰りの制服JKからサブカル大学生にラブライブ大好きおじさん、果ては保護者同伴のJC(リリホワ推しでした。分かっておられる)まで、もはやオタクのコンテンツというリミッターなど吹き飛んでしまったように感じられました。
楽曲についての詳細なレポートみたいなのは書きません。夢の時間だっただけにすでに記憶が曖昧ですし。
知りたい方は他のラブライブ大好きブログでたくさん書かれてますのでそちらをご参照ください。
ここからは僕がラブライブというコンテンツに屈服して感動の涙を流すのか、涙をこらえていち消費者として淡々とコンテンツを食い潰す存在になるかの戦いがどうなったかをメインに書いていきます。
1日目。
LV会場の座席は中央座席のちょっと前左側。
前にモンキー化したサブカルが居ても気にせず見れるゴキゲンな座席です。
そして僕がこの日の為に購入しておいたのがキングブレード 通称キンブレです。
これはまぁ簡単に言えばサイリウムです。
はいここまで読んで「えー? LVって所詮は映画館でライブの中継見てるだけでしょー? サイリウム振るなんてダサーい」とか思った貴方は、4時間ほど地蔵になってしまいます。
去年の僕のようにね!!!!
欲を言えばラブライブ公式が販売しているラブライブレードを振りたいのですが、入手難易度が高めなので同じルイファン・ジャパンが作っていて互換性もあるキンブレで代用です。
これを振ってないとLV会場では逆に浮きます。
僕の両隣に座っていた方はふたりともサイリウム不携帯ですが浮いておりました。
片方は地蔵、片方はサブカル系でヘドバンしながら猿になっていました。
まぁ楽しみ方は人それぞれですけどね。
1.それは僕達の奇跡
2.僕らは今の中で
3.Music S.T.A.R.T!!
4.ユメノトビラ
5.タカラモノズ
6.Shangri-La Shower
7.Love wing bell
8.Dancing stars on me!
9.もぎゅっと“love”で接近中!
10.COLORFUL VOICE
11.永遠フレンズ
12.小夜啼鳥恋詩 ←これナイチンゲールラブソングって読むらしいな
13.秋のあなたの空遠く
14.ふたりハピネス
15.Trouble Busters
16.冬がくれた予感
17.輝夜の城で踊りたい
18.だってだって噫無情
19.Snow haration
20.Wonderful Rush
21.No brand girls
22.KiRa-KiRa Sensation!
23.START:DASH!!
24.Happy maker!
25.Oh,Love&Peace!
26.Dreamin' Go! Go!!
27.どんなときもずっと
1日目は序盤から飛ばしていました。
まず一発目から「それは僕達の奇跡」
僕は「原曲以外のコール? なにそれ美味しいの?」な人間なのでとりあえずよく分かんない変なコールはスルー。
そのかわり「チャンス・フォーミー! チャンス・フォーユー!」「ダンス・ウィズミー! ダンス・ウィズユー!」は叫ばせて頂きました。
お約束ですから。
そして「僕らは今の中で」
アンコールまで温存されると思っていた楽曲なのでこれは不意討ちでした。
アニメからラブライブに入ってこの日のライブの為に1年間待たされた僕はかなりのダメージを受けました。
もうこの時点で涙がこみ上げて来ましたが「LV会場で泣くなんて、ダサい」と心のなかで呟いて涙を引っ込めて心を落ち着けます。
この時点で個人的に一番印象深かったのはうっちー。
何故なら今回もうっちーは毛根に大ダメージを受けることりちゃんカラーのブリーチを強行していたからです。
去年もそれをやって所属事務所に怒られたいわくつきのことりちゃん降霊術なのですが、さすがのガチ勢。気合が違います。
それと幕間劇なんですけど、もはや誰も違和感を持たない海未ちゃんによる穂乃果ちゃんへのDV展開にはさすがの僕も苦笑い。
SID海未ちゃんの「たとえなにがあっても私だけは穂乃果の味方! 穂乃果は私が守る!」という誓いはなんだったのか。
こういうのを見て「ほのうみは将来DV夫婦になるのかな」とかそんな邪悪な妄想を抱くのは僕だけでしょうか。
あと「ユメノトビラ」が良かったです。衣装がそこはかとなくポルノなデザインで。
ていうか今回は衣装のクオリティがすごいです。
衣装総数90着とは聞き及んでおりましたが、見栄えも最高です。
僕も眼福とばかり目を細めていたら、隣でヘドバンしてたサブカル大学生が「この曲なに? こんなのあったっけ?」とかとんでもないこと言い出して……
おま…… お前なぁ……
LV会場だとゲーム楽曲は認知度が低いのか「Shangri-La Shower」でも似たような現象が起きました。
超絶諭吉巻き上げ仕様の初回特典で、ラブライブ大好き人間共を恐怖のズンドコへ陥れたあのスクパラの楽曲……それがシャンシャワ。
でも楽曲はマジいいンスよ……
しかしLV会場のニュービー達はシャンシャワを聞いたことなかったのか「ウォウオ!!」の元気が……ない……
これには僕も少し寂しい思いをしました。
3回目のMCは2年組のみ。
事前に漏れた情報では「2年組のみの楽曲が来るらしい」ということだったので、3人版スタダか? スモロウか? と身構えていたけどなにもなし。
まぁ噂はあくまで噂だしね。
しかし学生時代について話を振られた瞬間にうっちーの表情が一瞬強張ったのを、僕は見逃さなかった。
あれは打ち合わせ通りのトークだったのか。
それともノープランのトークだったのか。
「Love wing bell」には触れません。
だってみんなもう知ってるでしょ? りんぱな結婚式だよ。
今回僕はなるべく猿にならずにお行儀よく見てようと思っていましたが、その禁を破って2度猿になりました。
一度目は「Dancing stars on me」
2期6話で出てきた衣装を現実世界に持ってきてます。衣装しゅごい…… そして度肝を抜かれたのがくっすんのパフォーマンス。
あの回転を見せられたらもう何も言えません……僕も思わず猿になって動物のような歓声しかあげられませんでした。
ダンスタ後のMC
ここで僕にとって衝撃の事実が告げられます。
衣装のモチーフはセンターのくっすんが魔女、うっちーとりぴシカがお姫様、ジョルみもつんが海賊。
そらまるとちゃんぱいは魔女の使い魔……使い魔!?
どうなってるんですか衣装デザイン担当のミナリンスキーさん。
希ちゃんがにこまきを使役するなんて……そんな不謹慎なこと俺は……
やろうぜ!!
「1日目はユニット楽曲の関係者が招待されてるから今回1日目にユニット楽曲が来るらしいぞ」という噂が流れていました。
僕も半信半疑だったのですが結果として全くその通りになりました。
ユニット曲といえば「Trouble Busters」が衝撃的でした。
まずいきなりトラバスで「え!? 「冬がくれた予感」じゃねぇの!?」ってなって
「オイオイそらまるは歌詞うろおぼえなのかちゃんと歌えてないぞ!? 大丈夫か!?」ってなりました。
ですがそんな些細なことは噴射される炭酸ガスでバスターされてしまいました。
ヘイッ! ヘイッ! あああああーーーーーーーーウィーアーバスターーズ!!!
まぁそんな歌パートでのトチりもMCでしっかり取り戻すのがそらまるである。
「説明しよう! みんなのBiBiコールで衣装が光るにこ!」
びーび!(ぺかー
個人的にはちゃんぱいが「トロッコ」とちゃんと言えずに噛んでしまったところが最高に可愛かったです。
けどなんでこのセレブはいちいち他のメンバーの身体にぺたぺた触れるのかな? レズなのかな?
4thの流れを踏襲して「冬がくれた予感」
にこラップが読経のようにしか聞こえなかったのはきっと僕の耳が悪いせいだよね、きっとそうだよ。
嬉しいサプライズはまさかの「輝夜の城で踊りたい」でしたね。
ここで輝夜……輝夜来たかぁ~~~~~!!
すんごい嬉しかった。本当に嬉しかった。輝夜大好きだから。
けどね、隣のサブカル大学生が当然のようにコールを間違えてるのは絶対に許さないよ。
去年のLVでもコール間違ってたのはサブカル系だったし、ホントさ……頼むよ。
俺に気持ち良く輝夜を楽しませてくれよ……
輝夜は遊びじゃねぇんだぞ!!
そんな憤りも束の間、ショートバージョンの輝夜から流れるように繋がれたのはまさかの「だってだって噫無情」
輝夜→アームジョーと和風テイストで畳み掛けてきたか……
どっちも好きだから結構グッときちゃう……
正座から足崩しも色っぽくて良かった。
けどまだあのサブカル大学生が輝夜でやらかしてたのが尾を引いてたせいで少しだけ冷静に見れました。
19曲目は前奏からなんの曲か判明せず「!?」状態に。
しかし巨大モニターには雪が。
この時点で「Snow haration」が確定。慌ててブレードの色を白へ。
直後スクリーンに映し出されるのは2期9話のあのシーン。
ああっクソ泣くな泣いちゃダメだ耐えろこらえろ。
……ギリギリ耐えました。
けどやっぱスノハレにはコール無いほうがいいかな……普通に聴きたいよ……
スノハレの後はまさかの「Wonderful Rush」
こっちは原曲がこれでもかとコールを煽っているのでコール推奨というイメージ。
これも不意討ちでした。今回はホントに読めない。ここでダフラは前例がないよ……
嬉しさのあまり思わず涙がこみ上げるけど僕の左隣で地蔵になってる人を見て心を落ち着ける。
ちゃんぱいの「ワンダフォーーーー!!」が芸術の域まで達してて思わず本日2度目の猿になりそうになる。なった。
アンコールアニメはまさかのライブのネタを逆輸入。
それぞれのメンバーの持ちネタをアニメでやってくれてます。
こうやって現実と2次元の境界を曖昧にするやり口汚いなラブライブ汚い。
真姫ちゃん可愛いかきくけこ。
そしてアンコールは「START:DASH!!」
スクリーンが涙でにじんでよく見えませんでした。
しかしやはりLVで泣くなんてダメだと思って必死でこらえます。
目からしずくが落ちなければセーフ!!
余談ですが終わり間際に「Dreamin' Go! Go!!」がラブライブの固定概念をふたつ吹き飛ばしていきました。
1:マフラータオルが必須アイテムになった。くそっ! 財布に大ダメージだ!
2:「特典楽曲はライブにぶち込まれない」という法則の崩壊
LVの総括
・サブカル系の人はせめてアニメと楽曲をちゃんと把握してから来るか黙ってて欲しい。
・希ちゃん推しメスライバーが本当に多かった。彼女達がセンター投票に参加してくれれば7thシングルは希ちゃんセンターは確実だと思った。
・幕間劇が面白いのは分かるけど後ろの人が噴出した唾液が僕の後頭部を直撃した。ばっちい!
というわけで1日目LV参戦は見事一滴も涙を流さずに終わりました。
ですが公演時間がとにかく長い!
4時間て……立って棒振ってるだけでも結構キツかったのに……
休憩挟んだとはいえ歌って踊りまくってたμ'sは化け物か……
2日目は明日頃書きます。
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梅雨時の閑散期を狙って行ってきました
聖地巡り!
とは言ってもホント軽ーくですけどね。
メインはもちろんラブライブ!の聖地・神田明神!
朝4時にこの四万を出立し、数少ない人間の友達である山田君としげる君と共に鈍行列車に揺られて着いたのは!
上野!
アイエエエエ!?
ナンデ!?
不忍池ナンデ!?
え……だって山手線のラッシュに巻き込まれたくないし……
というわけで上野から徒歩で神田を目指し……
「ケバブなんて干からびた肉をパサパサしたパンに挟んだだけの糞料理だろ?
あんなの食いたいとか豚みたいなこと言うなよマジで」
とか素直じゃないことを言ってるしげる君に……
モーゼスさんのケバブ 500円
「アゲポヨー! ケバブどーでスかーそこのイケメンのあんちゃーん!」
と、とても素直な呼び込みをしてる外人のおじさんが作るケバブを買い、素直じゃないしげる君に食わせてみると……
「うん。ケバブもまぁ悪くないよな……うん。次も食べようぜ」
少しだけ素直になりました。
ケバブはお肉のジューシーさを引き立てるさわやかな酸味が印象的なエキゾチック風味のソースがたまらないお味でした。
朝方でほとんどお客さんが居なかったので肉もソースもたっぷりオマケして貰ったおかげで
食べてるうちに「見ろ!手が汚れてしまった!!」状態になりましたが美味しいせいか全然気になりませんでした。
ていうかなんでピースなんしょうね。
我ながらアホみたいな写真です。
そこからラブライブ!の舞台になった通りを眺めつつ秋葉原まで歩き……
μ'sがいつも練習で使う神田明神男坂!
長い!
いい大人なんだから真似して駆け上がっちゃダメですよ。
そこを汗かきながら登り、しっかりとお参りを済ませてから……
ブルーレイ第6巻の希ちゃんを忠実に再現!
ホラこんなにそっくり!
いやーいい仕事したわー
ちなみに絵心がないので絵馬は書けませんでした。
ていうかみんな絵馬本気で描いててスゴイ!
そこから徒歩で御茶ノ水駅へ。
電車に乗るためではありません。
御茶ノ水駅前には、我が心の友しげる君の大好きなアニメ「てーきゅう」第9話の聖地……
「豚野郎」があるのです!
……おい今「なにこいつ自己紹介してんの?」とか思った奴、ちょっと手ぇ上げろや。
ホントにあるんですよ。
あと原作通りGもいました。
炭火焼豚 豚野郎 小豚丼480円
濃厚でクセのない味付けに香ばしい炭火焼きの美味しい豚丼でした。
煙モクモクでむさい男ばかりの狭苦しい店内というこの、
「男が黙って飯を胃袋にぶち込む為の場所!!」って無言で主張してるかのようなストイックさが好印象でした。
是非とも高慢ちきで鼻持ちならないオシャレな女性と一緒に行きたいお店ですね。
御茶ノ水駅から坂を下って行くと、ラブライブ!ファンでこれを知らないのはモグリと言われる名店……
「竹むら」が見えてきます。
もはや説明不要ですね。
穂乃果ちゃんの実家「穂むら」のモデルになったお店です。
この重厚な店構えからして
「おいそこの豚によく似たキモヲタ。オメーだよオメー。なに店の前でウロチョロしてんだ?あぁん?」
というプレッシャーがビシビシと伝わってきますが……とにかく入ってみようぜぇ……
店内は落ち着いた雰囲気の女性客ばかり。
いかにも「ラブライブ!大好きなキモオタでーす! チェキー☆」風なのは僕達だけでした。
もうなんていうか……ホントすいません……
甘いの食べたらすぐ出て行くんで許してください……
ちなみにこのお店は携帯禁止です。
静かに甘味を楽しみましょう。
竹むら クリームあんみつ750円
女の人はこういうお店で一番大切にするのは雰囲気なんじゃないでしょうかね。
古風な佇まいにこれまた当時の面影をしっかりと残した店内。
サッと出される桜の花が浮かんだ華やかな桜茶。
僕にはしょっぱくて口に合わなかった……お茶は美味しかったです。
甘味に大切なのはバランス感なんですよね。
甘さが無ければ甘味として意味を成さないし、かといって甘過ぎるとくどさが先行して食い詰まる。
簡単そうに見えてこのさじ加減ってのが実は難しいんです。
そこいくと竹むらさんはかなり絶妙。
また食べたくなる美味しいお店でした。
……ただ、僕が料理の写真を撮影しようと
「あ、あのー……これの写真とってもいいですか?」
と、聞いた時の若い女性店員さんの……
「どうぞ」(ちょっと不機嫌そうにお茶を置きながら)
(誇張抜きで本当にこんな感じで立ち去られました)
ドMな豚にとってはご褒美過ぎる対応かもしれませんけど、
あいにくながら僕は正真正銘のドMなので最高のご褒美でした。
正直なところ是非ともまた行きたいです。 -
僕が道を踏み外した発端は、おそらく中学生時代に観たアニメ『スレイヤーズ』であることはまず間違いありません。
それから僕は様々なアニメを視聴しまくって着実に人の道から外れていくわけでありますが、最初はドラゴンボールやビーストウォーズシリーズにポケモンなど、まだ一般層に話しても「あぁアレね」程度の認知度のモノにしか手を出さない単なる「アニメ好き」くらいの存在でした。
そんな僕を地獄の釜の底に溜まる泥炭層へと叩き落としてくれたのが、かの悪名高い電撃G'sマガジンのスマッシュヒット作『シスタープリンセス』(通称シスプリ)。
当時高校生だった僕にとってはシスプリはまさに衝撃でした。
何の脈絡も無く突然現れる12人の妹達というトンデモ設定もさることながら、個性豊かなキャラクターが織り成す魅力的な物語。
ですがそれを目の当たりにした時、僕の心にブレーキがかかりました。
それを言葉で形容するなら、まず間違いなく「理性」であったことは言うまでもありません。
「やめろ。それに手を出しちゃダメだ」
「そんなグッズ買ってどうする? 親バレが怖くないのか?」
「親に見られるならまだしも、こんなモン妹に見られたらめっちゃ気まずいだろ」
「人間を辞めるつもりか?」
場所は地元の本屋さん。
目の前にあるのは「お兄ちゃん大好き❤」と大きく書かれた文庫本。
世の中には超えてはいけない一線というものがあります。
当時の僕は見た目が気持ち悪いのは変わりませんが、人間の友達もちゃんといましたし、ヲタク系の部活動ではなくそれなりにハードな運動部に身を置くごく一般的な高校生でした。
今までギリギリのラインで維持してきた「普通の高校生」という立ち位置から、一瞬のうちにヘドロ渦巻く汚泥沈殿層へと誘ってくれる魔性。
その文庫本は僕にとって麻薬のような存在に見えて仕方ありませんでした。
…
……
………
その日、僕が理性という名のブレーキで踏みとどまれたかどうか。
言うまでもありませんね。
はい、人間辞めました。
幸運なことに、母も漫画にドハマリしていた時代があったらしく僕のキモヲタ化は黙認してくれ、
そんな母と僕に囲まれて育った妹も「チェキ(苦笑)」と軽く受け流してくれました。
それからの僕は留まることを知りませんでした。
部活仲間から「キモいわぁ」と言われてもお構いなしにギャラクシーエンジェルの素晴らしさを語り、
女子から汚物を見るような目で避けられても気にせず、睡眠時間を削って視聴したキディ・グレイドの感想を吐露し、
唯一残った友人のしげる君にあずまんが大王を押し付けるところから、ジワジワと洗脳していったりともうやりたい放題でした。
そんな最中、貴重な青春を犠牲にして僕をキモヲタへとクラスチェンジさせてくれたシスプリが、突然の終焉を迎えることになります。
これが電撃G'sのやり口。
少しでも旨味が無くなったと見るや速攻でコンテンツを捨て去る。
……まぁ、経営方針としては正しいのかもしれませんが、切り捨てられたファンはどうなる?
こんなこと、許されるのか?
いくらなんでも理不尽過ぎるだろ?
俺の四葉は?
もう四葉に会えないのか?
四葉ァ!! 「チェキ!」って言ってくれよぉおおおおおおお!!!!!
悲しみに暮れた僕はすっかり電撃G's企画が信用ならなくなりました。
世俗と隔絶された女子校での少女たちの危険な関係を描いた「ストロベリーパニック!」に沸くネット掲示板を尻目に
「はぁ……確かに可愛いよ。可愛いけどさ……電撃G'sだぜ? どうせ切られるんだろ……?」
切られました。
突如として現れた19人の姉妹(!?)との物語を描いた「ベイビープリンセス」で再び沸くネット掲示板を尻目に
「立夏いい……いいよ。いいけど……いいけどさ……電撃G'sだぜ? やっぱり切られるんだろ……?」
切られました。
裏切られるのが分かっているのなら、もはやなにも期待しない。
心を永久凍土のように閉ざし、幾重にもロックを施し、開かなければいい。
そうすれば心も傷まない。
僕はいつの間にか、そんな冷めた人間になっていました。
そしてベイビープリンセス終了後に電撃G'sの企画として始動したのが『ラブライブ!』でした。
「はぁーあ……今度はアイドルモノっスか? アイマスの後釜っスか? もう付き合いきれんわ」
その辺りから電撃G'sの企画に目を向けること自体しなくなりました。
べびプリが割と気に入ってたせいもあると思います。
それから少しだけ年月が経ち、僕が何気なくアニメ専門チャンネルを垂れ流しにしていた時……
ふと歌が聞こえてきました。
「だって可能性感じたんだ そうだ 進め……」
それは僕が食わず嫌いを起こして目を逸らしていたラブライブ!のアニメ第1話でした。
少し、ほんの少しだけ興味を持ちました。
続きが気になって「もしかしたら自動録画されてるかな……?」とテレビに接続されていたHDDを調べると……
ありました。
2話・3話・4話……結構あります。
最近の家電は優秀過ぎる……
そこからラブライブ!をイッキ見することになるのですが……
この物語は女子高生たちが自分たちの学校の廃校を阻止するためにスクールアイドルとしてライブを行って新入生を集めよう!って話なんですが、
最初のうちはもう全く見向きもされないんですね。
一生懸命練習して、衣装も手作りして、ようやく始まる初めてのライブでまさかの観客ゼロ。
打ち砕かれる希望。
裏切られた期待。
うんうん、僕もそういうの味わったことあるよ。
シスプリ企画終了の時にね。
でもね、この子達は僕と違ってめげない。
諦めたりしない。
希望を捨てたりしない。
ガラガラの講堂で、たった3人だけのアイドルユニット・μ'sが歌を披露するわけです。
「諦めちゃダメなんだ」って歌うんですよ。
誰も聞いちゃいないのに。
そのひたむきな姿に僕は完全にやられてしまい、そのままラブライブ!を最終話まで視聴しました。
後から知った話なのですが、このラブライブ!の企画がスタートした当初、
僕が「付き合いきれんわ」と匙を投げたあの頃のμ'sはそれこそアニメの通り全く見向きもされず1stシングルはダダ余りで在庫の山。コミケの企業ブースは閑古鳥。
もういつ企画が切られてもおかしくない。
努力しても全部無駄になるかもしれない。
それなのに彼女たちμ'sは必死で頑張り、シングルを出し続け、
クチコミで徐々に話題になっていき、ようやくアニメ化へと漕ぎ着けたわけです。
僕が希望を捨てて冷めた目でブラウザを閉じた後も、彼女たちは希望を胸にリアルで頑張っていたわけなんです。
それを考えると、罪悪感とまではいきませんが……ちょっとアンニュイな気分になってしまうのです。
……前置きが長くなりました。
そんなこんなで先週の8日・9日、日本列島が猛吹雪で大混乱している渦中、僕はμ'sの4thライブが観れるライブビューイング会場におりました。
残念ながらさいたまスーパーアリーナの会場席はゲット出来ませんでしたが、まぁこれは仕方がありません。
そもそも僕にはそんな資格が無いのですから。
会場でも、声援を送りサイリウムを振る他の皆さんの迷惑にならないよう、起立することなく着席or中腰状態で静かにLV鑑賞をしていました。
途中何度か泣きそうになりましたが堪えました。
泣いてしまったら「μ's好きのオッサン」から「μ'sにドハマりしまくってるオッサン」にクラスチェンジしてしまうからです。
僕はまだラブライブ!にドハマリしまくってなどいない。
仮にハマっているかもしれなくても、まだドハマリまでは行ってない……筈。
来年……来年こそはさいたまスーパーアリーナへ行く。
行ってこの目でμ'sを観る。
もしかしたら次こそは泣いてしまうかもしれない。
その時は僕も腹をくくり、素直に心を開き、全身全霊で楽しもうと思う。
あの頃のように、熱く……そして純粋に。
いつか夢の終わりが訪れ、心をズタズタに引き裂かれる未来がちらついていようとも。