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四万温泉叶屋旅館 オフィシャル裏blog

※このブログは叶屋旅館とは一切関係ありませんアルよ。

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μ's4thライブ ライブビューイングに行ってきました
僕が道を踏み外した発端は、おそらく中学生時代に観たアニメ『スレイヤーズ』であることはまず間違いありません。

 それから僕は様々なアニメを視聴しまくって着実に人の道から外れていくわけでありますが、最初はドラゴンボールやビーストウォーズシリーズにポケモンなど、まだ一般層に話しても「あぁアレね」程度の認知度のモノにしか手を出さない単なる「アニメ好き」くらいの存在でした。



 そんな僕を地獄の釜の底に溜まる泥炭層へと叩き落としてくれたのが、かの悪名高い電撃G'sマガジンのスマッシュヒット作『シスタープリンセス』(通称シスプリ)
 当時高校生だった僕にとってはシスプリはまさに衝撃でした。
 何の脈絡も無く突然現れる12人の妹達というトンデモ設定もさることながら、個性豊かなキャラクターが織り成す魅力的な物語。
 ですがそれを目の当たりにした時、僕の心にブレーキがかかりました。

 それを言葉で形容するなら、まず間違いなく「理性」であったことは言うまでもありません。

「やめろ。それに手を出しちゃダメだ」
「そんなグッズ買ってどうする? 親バレが怖くないのか?」
「親に見られるならまだしも、こんなモン妹に見られたらめっちゃ気まずいだろ」
「人間を辞めるつもりか?」

 場所は地元の本屋さん。
 目の前にあるのは「お兄ちゃん大好き❤」と大きく書かれた文庫本。

 世の中には超えてはいけない一線というものがあります。
 当時の僕は見た目が気持ち悪いのは変わりませんが、人間の友達もちゃんといましたし、ヲタク系の部活動ではなくそれなりにハードな運動部に身を置くごく一般的な高校生でした。
 今までギリギリのラインで維持してきた「普通の高校生」という立ち位置から、一瞬のうちにヘドロ渦巻く汚泥沈殿層へと誘ってくれる魔性。
 その文庫本は僕にとって麻薬のような存在に見えて仕方ありませんでした。

 …
 ……
 ………
 その日、僕が理性という名のブレーキで踏みとどまれたかどうか。
 言うまでもありませんね。
 はい、人間辞めました。

 幸運なことに、母も漫画にドハマリしていた時代があったらしく僕のキモヲタ化は黙認してくれ、
 そんな母と僕に囲まれて育った妹も「チェキ(苦笑)」と軽く受け流してくれました。

 それからの僕は留まることを知りませんでした。
 部活仲間から「キモいわぁ」と言われてもお構いなしにギャラクシーエンジェルの素晴らしさを語り、
 女子から汚物を見るような目で避けられても気にせず、睡眠時間を削って視聴したキディ・グレイドの感想を吐露し、
 唯一残った友人のしげる君にあずまんが大王を押し付けるところから、ジワジワと洗脳していったりともうやりたい放題でした。

 そんな最中、貴重な青春を犠牲にして僕をキモヲタへとクラスチェンジさせてくれたシスプリが、突然の終焉を迎えることになります。
 これが電撃G'sのやり口。
 少しでも旨味が無くなったと見るや速攻でコンテンツを捨て去る。

 ……まぁ、経営方針としては正しいのかもしれませんが、切り捨てられたファンはどうなる?

 こんなこと、許されるのか?
 いくらなんでも理不尽過ぎるだろ?
 俺の四葉は?
 もう四葉に会えないのか?
 四葉ァ!! 「チェキ!」って言ってくれよぉおおおおおおお!!!!!

 悲しみに暮れた僕はすっかり電撃G's企画が信用ならなくなりました。



 世俗と隔絶された女子校での少女たちの危険な関係を描いた「ストロベリーパニック!」に沸くネット掲示板を尻目に
「はぁ……確かに可愛いよ。可愛いけどさ……電撃G'sだぜ? どうせ切られるんだろ……?」
 切られました。

 突如として現れた19人の姉妹(!?)との物語を描いた「ベイビープリンセス」で再び沸くネット掲示板を尻目に
「立夏いい……いいよ。いいけど……いいけどさ……電撃G'sだぜ? やっぱり切られるんだろ……?」
 切られました。

 裏切られるのが分かっているのなら、もはやなにも期待しない。
 心を永久凍土のように閉ざし、幾重にもロックを施し、開かなければいい。
 そうすれば心も傷まない。

 僕はいつの間にか、そんな冷めた人間になっていました。



 そしてベイビープリンセス終了後に電撃G'sの企画として始動したのが『ラブライブ!』でした。
「はぁーあ……今度はアイドルモノっスか? アイマスの後釜っスか? もう付き合いきれんわ」
 その辺りから電撃G'sの企画に目を向けること自体しなくなりました。
 べびプリが割と気に入ってたせいもあると思います。

 それから少しだけ年月が経ち、僕が何気なくアニメ専門チャンネルを垂れ流しにしていた時……
 ふと歌が聞こえてきました。

「だって可能性感じたんだ そうだ 進め……」

 それは僕が食わず嫌いを起こして目を逸らしていたラブライブ!のアニメ第1話でした。
 少し、ほんの少しだけ興味を持ちました。

 続きが気になって「もしかしたら自動録画されてるかな……?」とテレビに接続されていたHDDを調べると……
 ありました。
 2話・3話・4話……結構あります。
 最近の家電は優秀過ぎる……

 そこからラブライブ!をイッキ見することになるのですが……
 この物語は女子高生たちが自分たちの学校の廃校を阻止するためにスクールアイドルとしてライブを行って新入生を集めよう!って話なんですが、
 最初のうちはもう全く見向きもされないんですね。
 一生懸命練習して、衣装も手作りして、ようやく始まる初めてのライブでまさかの観客ゼロ。

 打ち砕かれる希望。
 裏切られた期待。
 うんうん、僕もそういうの味わったことあるよ。
 シスプリ企画終了の時にね。

 でもね、この子達は僕と違ってめげない。
 諦めたりしない。
 希望を捨てたりしない。
 ガラガラの講堂で、たった3人だけのアイドルユニット・μ'sが歌を披露するわけです。
「諦めちゃダメなんだ」って歌うんですよ。
 誰も聞いちゃいないのに。
 そのひたむきな姿に僕は完全にやられてしまい、そのままラブライブ!を最終話まで視聴しました。



 後から知った話なのですが、このラブライブ!の企画がスタートした当初、
 僕が「付き合いきれんわ」と匙を投げたあの頃のμ'sはそれこそアニメの通り全く見向きもされず1stシングルはダダ余りで在庫の山。コミケの企業ブースは閑古鳥。
 もういつ企画が切られてもおかしくない。
 努力しても全部無駄になるかもしれない。
 それなのに彼女たちμ'sは必死で頑張り、シングルを出し続け、
 クチコミで徐々に話題になっていき、ようやくアニメ化へと漕ぎ着けたわけです。

 僕が希望を捨てて冷めた目でブラウザを閉じた後も、彼女たちは希望を胸にリアルで頑張っていたわけなんです。
 それを考えると、罪悪感とまではいきませんが……ちょっとアンニュイな気分になってしまうのです。



 ……前置きが長くなりました。

 そんなこんなで先週の8日・9日、日本列島が猛吹雪で大混乱している渦中、僕はμ'sの4thライブが観れるライブビューイング会場におりました。
 残念ながらさいたまスーパーアリーナの会場席はゲット出来ませんでしたが、まぁこれは仕方がありません。
 そもそも僕にはそんな資格が無いのですから。

 会場でも、声援を送りサイリウムを振る他の皆さんの迷惑にならないよう、起立することなく着席or中腰状態で静かにLV鑑賞をしていました。
 途中何度か泣きそうになりましたが堪えました。
 泣いてしまったら「μ's好きのオッサン」から「μ'sにドハマりしまくってるオッサン」にクラスチェンジしてしまうからです。



 僕はまだラブライブ!にドハマリしまくってなどいない。
 仮にハマっているかもしれなくても、まだドハマリまでは行ってない……筈。



 来年……来年こそはさいたまスーパーアリーナへ行く。
 行ってこの目でμ'sを観る。
 もしかしたら次こそは泣いてしまうかもしれない。
 その時は僕も腹をくくり、素直に心を開き、全身全霊で楽しもうと思う。
 あの頃のように、熱く……そして純粋に。
 いつか夢の終わりが訪れ、心をズタズタに引き裂かれる未来がちらついていようとも。



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