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こうして僕と父との別れは、最悪な形となってしまいました。
困るんだよなぁ、こういう最期は。
本当に、滅茶苦茶寝覚めが悪い別れじゃありませんか。
集まった家族や親族は、父との最後の思い出を愛おしそうに語るのですが、僕にあるのは口論の思い出。
父と交わした最後の会話を懐かしむような話題にも、僕は入り込めません。
だって僕が最後に父に投げかけた言葉が、よりにもよってアレですから。
意地、張っちゃったなぁ……
沼田までドライブ、行けばよかったなぁ……
いい思い出になっただろうになぁ……
父が亡くなってから早いものでもうすぐ49日。
父が操作していたボイラーについても悪戦苦闘の末になんとか理解出来ました。
かつて四万温泉の食肉を一手に扱っていた林精肉店から父が受け継いだ業務用スライサーについても、ジオングの完成度程度にはマスターしたと思います。
父が亡くなる前はジャージとTシャツ姿が僕の基本でしたが、最近はめっきり父のような背広姿が多くなりました。
苦手だった早起きも、朝の仕事をする者が僕だけになったという緊張感から、ほぼ完璧な寝覚めとなっています。
「お父さんとそっくりね」
子供の頃からそう言われ続けて育ち、以前はそう言われるのがすごく嫌でしたが、今ではその言葉を聞くたびに少し心が暖かくなるような気さえします。
この気持ちにもう少し早く気付いて、父に伝えることが出来れば……
後悔だけが、指に刺さった棘のようにチクチクと痛みます。
このブログを読んでおられる皆様は、どうか僕のようにはならないでください。
家族、親戚、友人、近所の人、仕事仲間。
みんないつ居なくなってしまうか、分かりません。
喧嘩や口論、それは誰しもあることでしょう。
気に食わない相手というものは誰にだっているはずです。
でも、最後だけ、どうか別れ際の一言だけは……
「気を付けて帰れよ!」とか
「またな!」とか
「じゃあな、おやすみ!」とか
そういう暖かな言葉で締めくくってください。
どうか、僕のようには、ならないでください。
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